新規事業立ち上げの進め方完全ガイド|7つのステップと使えるフレームワーク、成功のコツと失敗を防ぐポイントを解説
新規事業・イノベーション
2026.9.22
「新規事業の立ち上げを任されたが、何から手をつければよいか分からない」――経営企画部門や事業開発部門で、こうした声を耳にする機会は少なくありません。
既存事業の延長線上で進めようとして計画が停滞したり、アイデア出しの段階で議論が空回りしたりするケースも見られます。新規事業は既存事業とは前提が異なるため、専用の進め方やフレームワークを知らないまま着手すると、遠回りになりがちです。
とくにハウスメーカーや不動産・建設業のように、既存事業の商流や商習慣が確立している業種では、新規事業を検討する際の視点そのものが既存事業と大きく異なり、戸惑いを感じる担当者も少なくありません。
本記事では、新規事業立ち上げの基本的な考え方から、実務で使える7つのステップ、各段階で活用できるフレームワーク、成功・失敗の分かれ目となるポイントまでを整理して解説します。自社の状況に当てはめながら、次に取るべき一手を判断する材料としてご活用ください。

沖岡 豊大
我々は誰もが挑戦の歩みを止めず、
失敗を糧に再チャレンジできる寛容な社会の実現を
目指して活動しています。
創業背景としては、エンジニア起業家の養成スクールで得た気づきがきっかけでした。自身のWhy meをプロダクトに落とし込み、投資家に対してピッチを行うのですが、卒業後も挑戦を”続けられる”人間がごく僅かだということを実感しました。志のある優秀な方でも、リスクを背負い、様々なハードシングスを乗り越えながら進み続けることは、実際には非常に困難です。そこで、起業家に同志として寄り添い、何度でも挑戦し続けられる環境を構築したいと思うようになり創業に至りました。
最終的にわたしもいち起業家として、TechHouse.Worksのサポートを得ながら、新たな事業を創るのが私の夢です。
新規事業とは?なぜ今、中堅企業に立ち上げが求められるのか

まず、新規事業がどのようなものを指すのか、既存事業との違いや、立ち上げが求められる背景を整理します。
新規事業の定義と既存事業とのちがい
新規事業とは、自社にとって新しい市場・顧客・製品・サービスの組み合わせに挑戦する取り組みを指します。既存事業の改善や販路拡大とは異なり、事業モデルそのものを新しく構築する点が特徴です。
既存事業は過去の実績データをもとに計画を立てられますが、新規事業は前例が少なく、仮説検証を重ねながら進める必要があります。この違いを踏まえずに既存事業と同じ進め方を当てはめると、途中で行き詰まりやすくなります。
新規事業立ち上げが求められる社会的背景
市場の成熟や人口動態の変化により、既存事業だけで持続的な成長を維持することが難しくなっている業種は少なくありません。デジタル技術の普及によって、業界の垣根を越えた競争も起こりやすくなっています。
こうした環境下では、既存事業で培った強みを土台にしながら、新しい収益の柱を育てる動きが、経営戦略上の選択肢として位置づけられるようになっています。あわせて、デジタル化によって顧客接点のデータが蓄積しやすくなったことで、そのデータを起点に新規事業の種を見つけようとする動きも広がっています。デジタル化を進め、顧客接点のデータ基盤を整えたうえで新規事業の検討に着手するという順序で進める企業も増えています。
新規事業がもたらす3つのメリット
新規事業への挑戦には、主に次の3つのメリットがあります。
- 既存事業に依存しない新たな収益の柱を確保できる
- 新しい挑戦の機会を通じて組織全体の成長につながる
- 既存事業の顧客基盤や技術を活かしたシナジーが生まれやすい
一方で、投資回収までには一定の期間を要するため、短期的な成果だけを求める体制では途中で頓挫しやすい点にも留意が必要です。メリットとリスクの両面を経営層と共有したうえで着手することが、後の推進力につながります。
新規事業立ち上げの進め方|7つのステップ

新規事業の立ち上げには、大きく分けて7つのステップがあります。順番に進めることで、今どの段階にいるかを把握しやすくなります。
ステップ1|自社の理念・ビジョンを明確にする
最初に行うべきは、自社の経営理念や中長期のビジョンとの整合性を確認することです。新規事業のテーマが理念とかけ離れていると、社内の協力を得にくくなります。
ビジョンを言語化しておくことで、後の事業領域選定やアイデア創出の軸として機能します。既存事業で長年培ってきた価値観と新規事業のテーマがどうつながるのかを言葉にしておくと、社内説明の際にも説得力が増します。
ステップ2|事業領域を決めアイデアを創出する
次に、挑戦する事業ドメインをある程度絞り込みます。範囲が広すぎるとアイデアが発散し、意思決定が進みにくくなるためです。
アイデア創出の切り口には、自社の強みを起点にする方法と、顧客の課題を起点にする方法があります。両方の視点を組み合わせることで、実現可能性と市場性のバランスが取りやすくなります。例えば、既存事業で得ている顧客からの相談内容を棚卸しし、そこに含まれる未解決の課題を事業領域の候補として洗い出す方法も有効です。
ステップ3|市場調査で顧客ニーズと機会を検証する
アイデアが固まったら、市場調査によって顧客ニーズと事業機会を検証します。市場規模や競合の状況を調べるとともに、想定顧客への聞き取りを行い、仮説と実態のズレを早い段階で把握します。
この段階で需要が乏しいと判明した場合は、無理に進めず、アイデアの見直しに立ち返る判断も必要です。既存事業の顧客に直接ヒアリングできる立場は、中堅企業ならではの強みでもあります。
ステップ4|ビジネスモデルと事業計画書を作成する
検証を経たアイデアは、収益構造を含むビジネスモデルとして具体化します。誰に・何を・どのように提供し、どこで収益を得るのかを整理する段階です。
事業計画書には、市場分析・収益計画・必要な体制・スケジュールなどを盛り込み、社内の意思決定者に説明できる形に整えます。数値の根拠が曖昧なまま楽観的な計画を組んでしまうと、後の投資判断で足元をすくわれやすくなる点にも注意が必要です。
ステップ5|必要なリソースを確保する
事業計画が固まったら、ヒト・モノ・カネのリソースを洗い出します。社内の人員だけで賄えない部分は、外部採用や外部の専門家の活用も選択肢に入れて検討します。
リソース不足を放置したまま実行段階に進むと、計画倒れになりやすいため、この段階での見積もりが重要です。とくに専門人材の確保は時間を要するため、早い段階から採用や外部連携の準備を始めておくと安心です。
ステップ6|製品・サービスを開発し検証する
必要なリソースが整ったら、最小限の機能を備えた製品・サービス(MVP:Minimum Viable Product、実用最小限の製品を指す略語)を用意し、実際の顧客の反応を確かめます。
初期段階から完成度の高いものを目指すよりも、小さく試して改善を重ねるほうが、手戻りのリスクを抑えられます。顧客の反応が想定と異なる場合は、方向転換(ピボット)も検討します。この段階での軌道修正は、決して失敗ではなく、投資額が小さいうちに軌道修正できたという意味で成果の一つと捉えられます。
ステップ7|実行し軌道に乗せる
検証を経た製品・サービスは、本格的な実行フェーズに移します。実行体制を整え、定期的に進捗を確認しながら改善を重ねる運用サイクルを構築します。
一定期間を経ても成果が見えない場合には、あらかじめ定めた継続と撤退の判断基準にもとづいて、事業の方向性を見直すことも必要になります。実行フェーズは検証フェーズ以上に人手と時間を要するため、体制を維持できるかどうかも継続の判断材料になります。
これらの7つのステップは、社内のリソースと経験だけで最後まで走り切る企業もあれば、途中の段階でつまずき、外部の知見を借りながら進める企業もあります。どちらが正解というわけではなく、自社の状況に応じた選択です。TechHouse.Worksでは、出資を伴う伴走支援を行うBoot Up!や、戦略・実行支援を行うListing On!など、事業のフェーズに応じた形で新規事業の立ち上げを支えており、進め方に迷った際の相談先の一つとして、お気軽にお問い合わせすることも可能です。
新規事業立ち上げに役立つフレームワーク

各ステップを進める際には、汎用的なフレームワークを活用すると、検討の抜け漏れを防ぎやすくなります。代表的なものを段階別に紹介します。
アイデア創出に使えるフレームワーク
アイデア創出の段階では、事業モデルの仮説(顧客・課題・解決策・収益構造など)を1枚のシートに整理するリーンキャンバスや、既存の要素を転用・応用・変更する視点で発想を広げるSCAMPER法などが活用されます。
自社の強みを起点にする発想法と、顧客課題を起点にする発想法を使い分けることで、検討の幅を広げられます。どちらか一方に偏ると、実現可能性の低いアイデアや、市場性の乏しいアイデアに寄りやすくなる点にも注意が必要です。
市場・競合分析に使えるフレームワーク
市場環境の把握には、自社・競合・顧客の3つの視点で状況を整理する3C分析や、政治・経済・社会・技術という外部環境要因を整理するPEST分析が使われます。
競合との違いを整理する際には、自社の強み・弱みと外部の機会・脅威を整理するSWOT分析を組み合わせると、差別化のポイントを言語化しやすくなります。これらの分析結果は、単独で使うよりも組み合わせて使うことで、事業計画の説得力を高めやすくなります。
事業評価・優先順位づけに使えるフレームワーク
複数のアイデアが出た場合には、市場規模・実現可能性・自社の強みとの適合度といった評価軸を設定し、点数化して比較する方法が一般的です。
以下は、代表的なフレームワークを段階別に整理した一覧です。
| 段階 | 主なフレームワーク | 目的 |
| アイデア創出 | リーンキャンバス、SCAMPER法 | 事業仮説の整理、発想の拡張 |
| 市場・競合分析 | 3C分析、PEST分析、SWOT分析 | 外部環境と自社の位置づけの把握 |
| 事業評価 | 評価マトリクス、優先順位づけ表 | 複数アイデアの比較・絞り込み |
評価結果は、経営層への説明資料としても活用できます。数値や比較軸を示すことで、感覚的な議論に陥ることを避けやすくなります。フレームワークはあくまで検討を整理する道具であり、当てはめること自体を目的化しないよう注意することも大切です。
なお、ステップ4のビジネスモデル具体化の場面では、顧客セグメント・提供価値・チャネル・収益の流れなどを1枚の図に整理するビジネスモデルキャンバスも広く使われています。リーンキャンバスと重なる部分もありますが、既存事業とのシナジーを検討する際には、既存の顧客チャネルや収益構造との接続を意識しながら整理できる点で使い分けられます。フレームワークは1つに絞る必要はなく、検討の段階に応じて複数を併用してかまいません。
新規事業を成功させるためのポイント

フレームワークを使いこなすだけでなく、実務上のポイントを押さえることが、新規事業を軌道に乗せるうえで重要です。
自社の強みを活かした事業領域の見極め方
新規事業といっても、まったくのゼロから始める必要はありません。既存事業で培った技術・顧客基盤・ブランドといった強みを棚卸しし、市場機会と重なる領域を見極めることが有効です。
強みと機会が重ならない領域に踏み込むと、投資規模の割に成果が出にくくなる傾向があります。例えば、既存事業で施工や現場管理のノウハウを培ってきた企業が、そのノウハウを活かせない全く畑違いの分野に参入すると、競合に対する優位性を築きにくくなるといったパターンがよく見られます。
反対に、既存の顧客基盤や現場ノウハウを土台にしながら、隣接領域へ事業を広げるパターンでは、初期段階から一定の信頼を得やすく、立ち上げの負荷を抑えやすい傾向があります。強みの棚卸しは一度きりで終わらせず、事業領域の候補が変わるたびに見直す姿勢も大切です。
経営層のコミットメントと社内合意形成
新規事業は短期間で成果が出にくいため、経営層が継続的にコミットする姿勢を示すことが欠かせません。予算や人員配分の判断が滞ると、現場の推進力も落ちてしまいます。
社内の合意形成を進める際は、新規事業の意義とリスクの両方を関係部署に共有し、既存事業側の理解を得ておくことも重要です。既存事業の部門から人員や予算を割いてもらう場面も多いため、早い段階からの丁寧な説明が欠かせません。定期的な進捗報告の場を設けておくと、経営層の関心が薄れることを防ぎ、継続的なコミットメントを引き出しやすくなります。
必要な人材のアサインと育成
新規事業には、不確実な状況でも意思決定を進められる人材が求められます。社内異動によるアサインと、外部採用の組み合わせを検討する企業が多く見られます。
立ち上げ期のチームは、少人数で意思決定を素早く行える体制にすることが望ましいとされています。役割が曖昧なまま人数だけを増やすと、かえって意思決定が遅くなる場合があります。育成の観点では、立ち上げ経験のある人材から若手への実地でのノウハウ継承も、中長期的な組織力につながります。
人材配置の考え方としては、最初から完成形の体制を目指すのではなく、事業の進捗段階に応じてチームを拡張していく発想も有効です。検証段階では意思決定に関わる少人数のコアメンバーに絞り、実行段階に移行してから実務を担う人員を増やすといった段階的な拡張により、初期の固定費を抑えながら、事業の手応えに応じた投資判断がしやすくなります。
社内リソースだけで進める場合と、外部の力を借りる場合の違い
新規事業の進め方には、社内のリソースだけで完結させる内製型と、外部の専門家や支援サービスを活用する外部活用型があります。どちらにも一長一短があり、自社の状況によって適した選択は変わります。
| 進め方 | 主な特徴 | 向いているケース |
| 内製型 | ノウハウが社内に蓄積されやすい一方、人材・時間の負担は大きい | 新規事業の経験者が社内にいる、時間的な制約が少ない |
| 外部活用型 | 専門知見や実行力を早期に取り込める一方、一定のコストが発生する | 立ち上げの経験が社内に少ない、スピードを重視したい |
実務では、事業計画の壁打ちや実行支援の一部を外部に依頼しつつ、意思決定は社内で行うといった、両者を組み合わせる進め方も広く見られます。どこまでを社内で担い、どこから外部に委ねるかをあらかじめ線引きしておくと、責任の所在が曖昧にならず、進捗管理もしやすくなります。
TechHouse.Worksでは、出資を伴う伴走支援を行うBoot Up!と、戦略策定・実行支援を行うListing On!を組み合わせて提供しており、社内リソースを補う選択肢の一つになり得ます。関心のある方は専門家に相談するのも一つの方法です。
新規事業が失敗する主な要因とリスク対策

新規事業がうまく進まない背景には、いくつかの共通パターンがあります。事前に把握しておくことで、同じつまずきを避けやすくなります。
よくある失敗パターンとその原因
代表的な失敗パターンとして、市場ニーズと提供価値がずれたまま開発を進めてしまうケース、経営資源を一つの事業に集中しすぎて他の選択肢を検討できなくなるケース、撤退の判断が遅れて損失が拡大するケースが挙げられます。
いずれも、検証を十分に行わないまま次の段階に進んでしまうことが共通の原因になっています。とくに、社内で一度決めた方針を後から見直しにくい雰囲気がある組織では、軌道修正が遅れやすい傾向も見られます。
撤退基準の設定とリスクマネジメント
こうした失敗を防ぐには、事業を始める前に撤退基準をあらかじめ決めておくことが有効です。期間・投資額・成果指標のいずれかが一定の水準を下回った場合に見直すといった基準を設けることで、感情的な判断を避けやすくなります。
リスクを洗い出す際は、市場リスク・技術リスク・組織リスクなど複数の観点から整理し、対応策とセットで検討しておくことが望まれます。撤退基準は事業開始時の一度きりで終わらせず、状況の変化に応じて定期的に見直すことも大切です。
新規事業立ち上げに使える資金支援制度

新規事業の立ち上げには一定の投資が必要になるため、公的な資金支援制度の活用も選択肢の一つです。
代表的な補助金・助成金の種類
新規事業や新製品・新サービスの開発を対象とした補助金・助成金は、国や地方自治体によって複数用意されています。国の代表的な制度としては、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出やものづくり分野の新製品・新サービス開発を支援する「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」(2026年度から、従来の中小企業新事業進出補助金とものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)を統合して創設された制度)のほか、設備の自動化・デジタル化を対象とした省力化投資補助金など、目的に応じた複数の制度が用意されています。地方自治体でも、創業・新事業・設備投資などを対象とした独自の補助金・助成金が用意されている例が見られますが、有無や対象、募集時期は自治体によって大きく異なるため、個別の確認が欠かせません。
これらの制度の多くは、中小企業基本法上の「中小企業者」(業種ごとに資本金または従業員数で定義される基準であり、売上高では判定されません)を主な対象としています。売上50億円以上の中堅企業であっても、資本金・従業員数の基準を満たしていれば対象となる制度がある一方、いずれも上回っていれば対象外となる制度も少なくありません。自社が対象要件を満たすかどうかを早めに確認しておくことが、検討の出発点になります。
対象要件や公募時期は年度ごとに変わるため、活用を検討する際は、中小企業庁の支援施策ポータル「ミラサポplus」や中小企業庁の公募案内ページ、本社・事業所のある自治体の窓口、商工会・商工会議所などで最新の情報を確認することが必要です。
資金支援を活用する際の注意点
補助金・助成金の多くは、原則として事業実施後の精算払い(後払い)となる制度が多く、申請から入金までに時間を要する場合があります。事業計画とあわせて、つなぎ資金の確保も検討しておくと安心です。支払い条件は制度ごとに異なるため、個別の公募要領での確認が前提になります。
また、公募要件を満たすために事業内容を無理に変更すると、本来の事業目的からずれてしまう場合があります。資金支援はあくまで手段であり、事業の方向性を歪めてまで利用するものではない、という前提を持っておくことが大切です。申請書類の作成には相応の工数がかかるため、着手のタイミングも余裕を持って計画しておく必要があります。
新規事業立ち上げに向いている人と、個人の起業との違い

新規事業の立ち上げには、向き・不向きや負荷の大きさに関する疑問もよく聞かれます。ここでは、担当者の適性と、個人の起業との違いを整理します。
新規事業立ち上げが「しんどい」と言われる理由
新規事業の担当者は、前例のない状況で意思決定を重ねる必要があり、成果が出るまでの期間も読みにくいため、精神的な負荷が大きいと言われることがあります。既存事業のように評価基準が確立していない点も、負荷を感じやすい要因の一つです。
こうした負荷は、撤退基準や評価の仕組みをあらかじめ社内で共有しておくことで、一定程度は軽減できます。孤独感を抱えやすい役割でもあるため、社内外に相談できる相手を持っておくことも、負荷を和らげる一助になります。
個人の起業と社内新規事業の違い
個人の起業では、意思決定の主体が自分自身にあり、スピード感を持って進めやすい一方、資金調達やリスクもすべて自己負担になります。
社内新規事業では、既存事業の信用力や資金力を活用できる反面、社内の意思決定プロセスを経る必要があり、スピード感では個人の起業に劣る場合があります。どちらが優れているというより、活用できるリソースと意思決定の仕組みが異なる点を理解しておくことが重要です。両者の違いを理解しておくと、社内新規事業の担当者が個人の起業のノウハウを参考にする際にも、そのまま当てはめられる部分とそうでない部分を見分けやすくなります。
新規事業立ち上げチェックリスト

着手前・実行中に確認しておきたい項目を整理しました。自社の状況と照らし合わせてご活用ください。
- 経営理念・ビジョンとの整合性を確認したか
- 市場調査によって顧客ニーズを検証したか
- 事業計画書に収益構造と必要リソースを明記したか
- 撤退基準をあらかじめ設定したか
- 経営層のコミットメントを得られているか
- 必要な人材のアサイン・育成計画があるか
- 活用できる資金支援制度と、自社が対象要件を満たすかを確認したか
- 社内で完結させるか外部の力を借りるかを検討したか
よくある質問(FAQ)
Q1. 新規事業に向いている人は?
不確実な状況でも意思決定を進められる人、前例のない課題に対して粘り強く仮説検証を重ねられる人が向いているとされています。ただし、これらは経験を通じて身につく面も大きく、最初から完璧な適性を求める必要はありません。周囲を巻き込みながら進められる調整力も、あわせて重視される傾向があります。
Q2. 新規事業を立ち上げるには何から始めればいいですか?
まずは自社の理念・ビジョンとの整合性を確認したうえで、事業領域を絞り込み、アイデアを創出することから始めます。本記事で紹介した7つのステップを、順を追って進めることをおすすめします。いきなり事業計画書を書き始めるのではなく、最初の土台を固める段階を丁寧に行うことが、後の手戻りを減らすことにつながります。
Q3. 新規事業の立ち上げはしんどいですか?
前例のない状況での意思決定が続くため、負荷を感じる担当者は少なくありません。ただし、撤退基準や評価の仕組みをあらかじめ整えておくことで、負荷を軽減しやすくなります。一人で抱え込まず、社内外の相談先を確保しておくことも、負荷を軽くする実務上のポイントです。
Q4. 一番起業しやすい業種は?
業種によって参入のしやすさは異なりますが、一般的には初期投資が少なく、小さく始めて検証しやすい業種のほうが着手しやすい傾向があります。一方で、参入しやすい分野は競合も多くなりやすいため、自社の強みとの掛け合わせが重要です。個人の起業と社内新規事業とでは、参入しやすさの判断軸自体も異なる点に注意してください。
Q5. 新規事業立ち上げに使える資金支援には何がありますか?
国や地方自治体による補助金・助成金制度が代表的です。対象要件や公募時期は年度によって変わるため、活用を検討する際は最新の公募情報を確認することが必要です。あわせて、金融機関からの融資や、外部からの出資といった選択肢も、事業の性質に応じて検討する価値があります。
まとめ|新規事業立ち上げを成功に導くために
次の一歩を踏み出すために
新規事業立ち上げの進め方について、7つのステップとフレームワーク、成功・失敗の分かれ目となるポイントを解説しました。
自社の理念・ビジョンとの整合性を確認したうえで、アイデア創出から市場調査、事業計画、リソース確保、検証、実行という流れを一つずつ進めることが、遠回りを避ける近道になります。まずは本記事のチェックリストを使って、自社が今どの段階にいるかを確認してみてください。
社内の体制だけで最後まで進めるのが難しいと感じる場合は、外部の力を借りることも選択肢の一つです。TechHouse.Worksでは、シード期〜アーリー期の挑戦者に最大500万円のマイクロ出資と伴走支援を組み合わせて提供するBoot Up!や、アーリー期以降のスケールを戦略・実行面から支えるListing On!といったサービスを提供しています。
「自社の新規事業を、誰と一緒に進めるか」を検討されている方は、お気軽に無料相談を申し込むことをおすすめします。なお、新規事業や組織変革に関するより広い視点での発信は、noteでも行っています。
新規事業の立ち上げに正解は一つではなく、自社の理念や強み、置かれている状況によって最適な進め方は変わります。本記事を参考に、まずは着手できる一歩から具体的に動き出してみてください。